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ピュリナ社の事業創出を支援
Petivityのコネクテッドシステムの機能を支えるのは、猫のトイレ行動を記録するためにトイレボックスの下に設置される物理デバイスです。集まったデータはクラウドに送られ、そこでピュリナ社の業界最先端の研究に基づいたAIアルゴリズムによって、実用的で利用者向けにパーソナライズされた分析情報へと変換されます。利用者は、そのデータと分析情報をモバイルアプリで参照できます。
キャップジェミニの研究によれば、88%の企業がこの先5年のうちにインテリジェントなサービスの提供を始める
計画を持っているにも関わらず、インテリジェントな製品やサービスについて十分な規模の
ユースケースを持っている企業は7%にすぎません。Petivityはピュリナ社初のコネクテッド製品であり、これによって独自にデータを収集し、個々の健康に関するインサイトや提案を提供することで、この伝統ある消費財メーカーは、新しい方法で直接顧客とつながることができるのです。
この成果に貢献したのは、ケンブリッジコンサルタンツと、キャップジェミニ・インベント傘下の関連企業であるシナプスの両社のチームです。
Petivityのコネクテッドシステム

「プロジェクト開始からわずか20か月で製品化までこぎつけたのは本当に驚きました。その過程において、シナプスとケンブリッジコンサルタンツ非常に有能なプロフェッショナルであり、すばらしいパートナーでした。」
ネスレピュリナ社 Petivityプロダクトマネジメントディレクター Daniel Cheng
ピュリナ社は、自社初となるネットワークエコシステム製品に組み込みたいと考えていた、猫の健康状態のモニタリングに関するIPを取得しました。その製品の成功には、それがピュリナのブランドにふさわしく、顧客のセキュリティや性能、価格に関する期待に応え、同時にビジネスとして成立しうることが必要でした。ピュリナ社には、商業化に向けての取り組みの中で生じる、ビジネスと技術の複雑な課題を解決するためのパートナーが必要でした。
弊社の収束デザインのアプローチを適用し、多分野にわたるチームをまとめ、収益性が高く、顧客の要望に応え、技術的に実現可能で持続可能なソリューションに仕上がるよう改良を繰り返しました。その結果、最小限のカーボンフットプリントでハードウェア、ソフトウェア、AIが協調して動作可能な、一体感のあるコネクテッドシステムができあがりました。これはピュリナ社に価値をもたらす新しいビジネスモデル、価格モデル、運用モデルであり、ペットの飼い主にすばらしい使用体験を提供します。
ピュリナ社には最も得意とする分野、すなわちペットとその世話をする人に集中してもらい、私達はビジネスと技術の両面で革新をサポートする信頼のおけるバートナーの立場で、初のコネクテッド製品を2年足らずで立ち上げられるように支援しました。これを通じてピュリナ社には顧客との新しい直接の接点ができ、新しい販売チャンネルと収益モデルの可能性が開けました。さらに重要なのは、ペットの飼い主が安心できるようになったということです。このシステムに対するペットの飼い主からの評価は高く、飼っている猫の命をPetivityが救ってくれたという声も出ています。

AIの力を活用する
Petivityスマートトイレボックスモニターの見かけはシンプルですっきりしています。しかし、利用者のプライバシーを保護しながら複数の猫を区別できて、操作がシンプルで価格も手頃なものにしようとすると、多くの複雑な課題を克服する必要がありました。例えば、監視カメラ、RFID(無線タグ)、専用の首輪などは必要のないデバイスとすることが必須条件でした。

弊社はAIを使ってこの野心的な目標を達成しました。30万を超えるトイレボックスでの出来事を収集、タグ付けして活用し、ピュリナ社のペットに関する専門知識を分類アルゴリズムに統合しました。有用なシステムにするために、各々の猫のトイレ行動を確実に検知し、経時的に振舞いを追跡できるようにする必要がありました。いつも通りの行動をとりたがる猫の習性を利用して、それぞれの猫に固有の行動を学習し、個々にとって意味のあるインサイトを提供できるAIシステムを設計することに成功しました。
反復とテストを通じてモデルの精度を高めることで、例えばトイレボックスの掃除などを猫のトイレ行動と誤検知することを防止するとともに、閾値を調整して検出漏れもなくしました。何十万というトイレボックスでの出来事を学習させたAIに、ペットの行動と健康に関するピュリナ社の深い知識を組み合わせることで、Petivityはプライバシーを侵害したり普段の猫のトイレの設定を変えたりすることなく、利用者向けにパーソナライズされたインサイトを提供できます。
ペットも人も、すべてのユーザーに
この開発の取り組みを通じて弊社が考えてきたのは、ペットとその世話をする人の両方が楽しんで使えるような
システムをどのように作るか、ということです。
猫にはいつも通りに行動したがる習性があります。他のトイレ関連の健康製品では、猫とトイレボックスとの関わりが大きく変わってしまい、猫が拒絶するおそれがあります。Petivityスマートトイレボックスモニターは、既存のトイレボックスの下に置かれる薄くて高機能の台から構成され、猫の普段の行動の邪魔になりません。うまく視界に入らないようになっており、猫にも飼い主にも気になることがありません。
ペットの飼い主はペットが健康でいてくれるという安心感と、そのためにどう世話をすればよいかを理解する手助けとを求めています。弊社は、何か気になることがあればすぐに分かりやすく提示する
デジタルインターフェースを設計しました。ペットの飼い主のアプリ上での行動を学習して、購入から設定、使用までのユーザーエクスペリエンス全体を最大限考慮するために、使用性を日々改善しペルソナを洗練させることができます。
猫と人の両方から学習することにより、関連する機能を見つけ出して取り込むこともできました。例えば掃除スコアがそうで、トイレボックスの手入れがゲーム感覚でできるので、トイレがきれいになり、猫にも人にも嬉しい機能です。

Petivityの価値をさらに高める
Petivityスマートトイレボックスのシステムは、すでにインパクトを与えています。病気の状況を早期に特定し、体重の減少を検知することで飼い猫の命を救ってくれるPetivityシステムには、すでに利用者の称賛が集まっていて、レビューの100%が推奨できる製品だと評価しています。Wiredや USA TodayのようなメディアのレビューでもPetivityは推薦されています。オンラインでの好調な販売を受けて、小売店でのPetivityの全国展開が始まり、全米のPetSmartの棚にPetivityが並ぶことになりました。
ピュリナ社初のコネクテッドシステムの立ち上げ、AIを活用したコネクテッド製品を顧客に届けたいという長年の夢を叶えるお手伝いができたのは、たいへん光栄です。
私たちは、市場を変革するデジタルブレイクスルーを提供し続けます。