米国本土でビジネス機を利用するお客様は、インターネットへの期待値を下げる必要はもうありません。大容量データの送受信からライブビデオ会議、地上とのゲームまで、あらゆることが可能になりました。
類を見ないチャレンジ

チームの一員としての信頼
SmartSkyとともに働き、ネットワーク技術とサービス管理プラットフォームを開発する長期プロジェクトに携われたことを、私たちケンブリッジコンサルタンツは誇りに思います。私たちはチームに信頼される一員となり、ビジネス上の大きな目標を実現するために全力を尽くしました。既存の技術では達成できない目標に向かい、未知の困難に一緒にチャレンジしたのです。
今回の高性能ネットワークは、きわめて厳しい環境にも耐えられるよう設計する必要がありました。課題は、時速600マイルを超えるスピードで高度3万フィートを移動するユーザーに対し、超高速、低遅延かつレジリエントな接続を提供することです。ドップラー効果(移動する発信源と観測者との間で周波数が変化すること)の影響を最小限に抑えることが、成功へのカギでした。
新しいタイプのネットワーク
「良いとこ取り」のカスタマイゼーション
SmartSkyの新しいネットワークには、斬新なビームフォーミング法に加え、タイミングや信号伝達などを高速移動用途に合わせて複合的に最適化するなど、独自のカスタマイゼーションを多数活用されています。まさに「良いとこ取り」のソリューションと言えるでしょう。標準的でコモディティ化された技術や製品とカスタマイゼーションとのバランスを取り、航空機に特化したユニークな性能を実現しています。

独自の扇形ビームフォーミング
業界初のビームフォーミング法により地上基地局から発信されるビームは、地面に対して浅い角度で放射される扇形のカバーエリアを形成し、広大な地域を均一にカバーします。これにより、特に航空機の移動によるドップラー効果が抑制され、航空機がより長時間通信圏内に留まることができるため、レジリエントな接続が実現されています。
また、スペクトル効率を向上してネットワーク容量を拡大し、到達距離を200キロ以上に広げ(一般的なセルラー通信の距離は10キロ)、またS/N比を改善しています。どの時点でも、1機に対して1本の対空ビームが割り当てられるため、高い使用感が得られるのが特徴です。これはまさに最先端の、今までにないコンセプトです。
データ主導の知見

直観的なサービス管理プラットフォーム
カスタムメイドの無線システム開発と並行して、弊社はSmartSkyと共同で直観性の高いサービス管理プラットフォームを開発しました。これは、ネットワーク全体でのサービス品質を監視し、サービス向上を図るためです。このプラットフォームでは、地上における運用状態はもちろん、極めて重要なポイントであるお客様それぞれの機内体験を、包括的に把握することができます。
これにより、サービス保証と継続的な最適化、機内サービスの詳細でリアルタイムな分析、予知保全の実施が可能になります。SmartSkyのチームは、ユーザーインターフェイスを通して、請求、カスタマーサポート、コミッショニング、製品管理など、サービスにおける重要な要素を管理することができます。

リアルタイム共有によるサービスの向上
サービス管理プラットフォームのもうひとつの重要な利点は、SmartSkyがネットワークとサービスに関する情報を、通信システムの付加価値再販業者や航空会社といったパートナーやユーザーと共有できる点です。このプラットフォームには、サードパーティサービスプロバイダー向けAPIが組み込まれているため、サービス品質をリアルタイムに表示することができます。これにより、飛行経路最適化、乱気流回避、データ管理などの分野における運用効率の改善が容易になります。
ステータス: 離陸完了

すべての技術的マイルストーンを達成
2021年夏、SmartSkyは、次世代のブロードバンド空対地ネットワーク開発におけるすべての技術的マイルストーンを達成したことを世界に発表しました。サービスは既に使用可能で、フロリダ州、ジョージア州、サウスカロライナ州の大部分を含むネットワークの南東部ルートを飛行するビジネスジェットとターボプロップ機で実証されています。この夢のようなサービスはマルチMbpsの高速接続も実現し、機内におけるVPN接続、高画質ダウンロードをはじめ、様々なことが可能です。

構造化されたアジャイルなアプローチ
SmartSkyがローンチに至るまでのいくつものフェーズにおいて、ケンブリッジコンサルタンツに在籍する100人以上のエンジニアが作業に携わりました。多様な分野をカバーする各エンジニアが幅広いスキルを発揮し、FPGA回路の設計、ユーザーエクスペリエンスや通信システム、高度アンテナ技術の開発などの膨大な挑戦に取り組み、皆が素晴らしい仕事をしました。構造化されたアジャイルなプロジェクトアプローチにより、7カ国と16のタイムゾーンにまたがる人材を集結し、迅速かつ大規模にソリューションを実現することができました。大変な作業でしたが、航空機内のビジネス接続性を改革するためには必要なことでした。
開発チームのエピソード
「SmartSkyとともに働き、ビジョンを実現するお手伝いができて光栄です。引き続き、SmartSkyの技術の発展に貢献し、更にすばらしいサービスをSmartSkyのお客様に提供していかれることを楽しみにしています」
デレク・ロング
プロジェクトリーダー

「大勢のすばらしいエンジニアとともに
働き、数多くの分野の先進技術を経験
することができました。SmartSky社の方々が私たちの開発した
技術を使って、機内からプロジェクト
会議に参加したときは、最高の気分
でした!」
リア・ワー
インテグレーション&システムエンジニア

「単に米国大陸部をカバーするセルラーネットワークのローンチをサポート
することと、そのネットワークを高度3万フィート、通信距離200キロ、時速600マイルで移動する端末を使って稼働することは、まったく別次元の話です!」
エディ・ラングレー
テクニカルオーソリティ

「ネットワーク健全性データの全体像を
把握したうえで、それをスケーラブル
かつ有益な形で処理、概念化し、表示
できるようにするためには、お互いに
オープンで協力的なアプローチが必要
でした。プロジェクトは、大きな
喜びを感じる経験でした」
メアリー・チャン
エクスペリエンスデザイナー

「SmartSkyのビジョンは、すばらしく
シンプルでありながら、非常に大きな
イノベーションを必要とするものでし
た。究極的に難しい技術的課題を克服し
ながら実現に向けて密接に協力し、望
み通りのビジネス成果を出すことができ
ました」
コリン・キャンベル
テクニカルリーダー
