通信業界はまたもや大きな変化に直面しています。オープンソース技術がもたらすイノベーションが新しい波となり、ネットワークもまた、新たなプラットフォームやコネクティビティを提供できる拡張性が高まっています。これが「ネットワークネイティブ」、すなわち信頼性の高い高速通信にビジネスを依存している産業や企業を生み出しているのです。 

この様な背景から、5G NR(New Radio)、ネットワークスライシング、エッジ処理などのテクノロジーの進化によって生み出されたプラットフォームを、2020年の重点的に取り組む課題としました。自動車、ヘルスケア、製造分野における巨大なビジネスチャンスに敏感な通信事業者にとっては、まさに活躍が期待できる領域なのです。 

わずか数年の内に起こったテクノロジーの急速な進化の後、新たなビジネス機会の出発点となりました。ブロードバンド接続が容易に利用できるようになったことで、Netflix 社のようなクラウドネイティブ企業が誕生しました。自社保有するインフラストラクチャは小規模で、概してパブリックまたはハイブリッドクラウドインフラストラクチャを活用して、ベストエフォート型のブロードバンド接続を顧客に提供しています。このような企業の特徴として、サービスの迅速な立ち上げ、ビジネスの急成長、財務の最適化が挙げられます。かかる費用はトラフィックに比例し、クラウドホストに支払うサブスクリプション料金によって決まります。 

新たなビジネス機会と表現しましたが、現在クラウドとプライベートネットワークの両方で構成され高性能なサービスを提供できるインフラストラクチャを備えた(仮想化されたプライベート5Gネットワーク出現による機会の増大を享受する)企業がますます増えています。必要とされているタスクや顧客体験に合わせてコネクティビティをカスタマイズすることで、品質や顧客体験をかなり高めることができるところから「ネットワークネイティブ」 と名付けられました。さらに強味は、他社では及ばないレベルの自動化と効率化を実現するため、顧客対応業務と内部ビジネスプロセスを一体化していることです。 

通信業界の飛躍的発展 

「ネットワークネイティブ」の可能性は、通信業界の大きな価値を示しています。しかし、ひとつで全てのネットワークに対応するアプローチではなく、よりカスタマイズを統合していくモデルに移行するには何が必要となるのでしょうか。背景として、単純にネットワーク帯域を増やしていくだけでは、5Gの新たな収益源を希望通りにリリースできないことは既に明白です。エクスペリエンスは基礎をなすネットワークの性能と密接に関係するため、超高信頼かつ低遅延な通信(URLLC / Ultra-Reliable Low Latency Communications)により可能となるだろうと業界が期待するサービスが多数あります。緊急サービス、鉄道、資源採取、製造、航空交通管制のための無線ネットワークなどがその一例です。 

期待に応えるサービスを提供するには、業界の環境についての課題とニーズに精通していることが必須です。高性能なコネクティビティを支える5Gプラットフォーム上の他の機能を強化することが必要です。良い例としては、ネットワークエッジで実行されるデバイス機能と緊密に統合された機能の提供で、URLLCによりデバイス機能そのものであるかのように感じられます。 

製品の一部としてシームレスに組み込まれた機能をネットワークエッジに持たせることで、デバイスの複雑さとコストは最適化されます。例えばAR グラス(拡張現実眼鏡)は、オーバーレイする画像作成に必要な計算はネットワークエッジで実行され、URLLC 5G接続サービスを介して眼鏡に投影されます。 

モバイルデータ通信は、さらにスピードを求められる状況にあります。同時にサービスに対する安全性の課題はより重要視されています。例えば、倉庫や工場におけるロボットの制御に着目してみましょう。多数のロボットが揃って正確に動作することは、施設の効率的な運用と同様に、そこで働く人達にとっても不可欠であるということが言えます。 

堅牢で高性能な技術 

ネットワークに常に接続された社会にますます慣れてしまい、電車や飛行機、かなりの田舎にまで常にネットワークがつながる環境が求められています。顧客満足のため、モバイルブロードバンドサービスの提供では、長距離・高速・高いドップラーシフト量の要件を満たす技術への依存が高まりつつあります。ケンブリッジコンサルタンツは、航空、衛星、製造、輸送などの分野で堅牢で高性能な通信技術を開発してきた実績が、確かな基礎となっています。 

システム全体とそのソリューションだけでなく、高度なアンテナシステム、半導体やデバイス、要求の高い製品向けPHYレイヤー、干渉処理、伝播上の課題、ドップラー効果を最適化するテクニックなど特殊な製品や技術も開発してきました。高度な適応性と柔軟性のあるパフォーマンスを可能にするソフトウェア無線の開発も、強みのひとつでもあります。以下はNorthrup Grumman Park Air Systems社向けに開発された、斬新な仕組みの航空管制無線システムについてのビデオです。この分野では、堅牢性、信頼性、品質に重点が置かれています。事業の鍵となる重要な技術で、ヨーロッパと北米間の商業航空交通機関に、信頼性の高い音声およびデータ通信を提供しています。 

コネクティビティに関するご質問や、お客様のビジネスを成功へと導く弊社との協業に関するお問合せは、こちらまでご連絡ください。  

 

執筆者:

デレク ロング

ワイヤレス&デジタルサービス事業本部

テレコム&モバイル分野を担当、通信事業者やインターネットサービスプロバイダーのみならず端末ベンダーや部品メーカー向けに最先端の通信技術を活用したブレークスルーイノベーションを支援している。モバイル分野において20年以上の経験を有し、多国籍企業で様々なポジションを経験し、LTE-Aや5Gなどモバイルおよびブロードバンド技術全般の豊富な専門知識を有する。ブリストル大学、電気通信博士課程修了。

Author
Dr. Derek Long
Head of Telecoms & Mobile

Derek leads our collaboration within the telecoms and mobile sector, helping create breakthrough innovations that transforms the delivery of high-performance communication - for mobile carriers and ISPs to vendors and component manufacturers. With over 20 years’ experience in mobile technology, Derek has held a range senior management roles with multinationals and has a wealth of expertise across all generations of mobile and broadband technology, including LTE-A and 5G. Derek holds a PhD in telecommunications from the University of Bristol.