平均気温が上昇し、発展途上国での需要が増加しているため、エアコンは世界で最も大きい家庭でのエネルギー消費源となっています。エアコンは、電力需要と価格が最も高いピーク時に電力を必要とします。同時に、再生可能エネルギーの生産は増加傾向にあり、そのためシステム容量の増加に拍車を掛ける電力網の予想可能性が下がります。

日本では10年以上もの間、商業ビルの冷却のためのエネルギー需要を均すためにアイススラリーが使われてきました。今まさに家庭用そして新しい商業ビルへの使用を考えるときです。

2016年12月にオランダのエネルギー研究所がこれについてレポートを発表し、より多くのビジネスケースとより多くの材料の追求を勧めました。

エネルギー貯蔵システムは決して新しいものではないですが、エネルギーの需要と供給の変動がより散発的になるためいっそう重要になってきています。一つ目のシステムは、国の供給を平準化するために設計されました。例えばウェールズのDinorwigにある水力揚水貯蔵は、イギリスの国民がみなワールドカップのハーフタイム中に紅茶を淹れる需要を平準化するために設計されました。もっと最近だと、個人的な平準化を行う傾向があります。これの最もよく知られた例として、Tesla‘s Powerwall(家庭のソーラー供給をならす個人用バッテリー)を使用する方法があります。去年暮れに、速度論的方法と科学的手法からこの傾向について考察し、ブログに書きました。アイススラリーは、異なる手法を提供しています。水混合液を凍らすと、ほぼ無限の拡張性が非常に低コストで可能になると同時に、「冷」を貯蔵するヒートシンクが提供されます。

We help our customers understand and optimise the flow of liquids, gases & heat.

夜中またはエネルギーコストが低い時期にアイスバンクの一部を凍らせ、エネルギーがより高い暖かい時間帯にアイスバンクを使って建物を冷やします。これはエネルギーピーク時の平準化だけでなく、他にも二つ大きな利点をもたらします。まず、建物の周りにスラリーを移動させるのは冷媒を移動させるよりも簡単で、冷たい空気を動かすよりも効率的です。次に、冷却が冷媒よりも高い温度で行われるため、結果的に脱湿が少なくなります。スラリーは冷えの運搬を簡単で効率的なものにし、溶けている氷の潜熱がスラリーに非常に高いエネルギー密度を提供します。

しかし全く簡単なわけではありません。システムにはやはり冷却が必要であり、~0℃でエネルギーを取り出すのは、その源がより高い温度である場合は非効率です。しかし、以前の方法よりはその源との熱的接触は大幅に優れています。貯蔵容量を確保するため、スラリーのタンクも必要になり、その分必要な空間が必要になります。また、スラリーの水成層を防ぐ手段も盛り込まれる必要があり、ポンプが必須です。

最近ケベック州のオルフォードで開催された第12回潜熱蓄熱材会議(12th Annual Phase Change Materials conference)に参加し、さまざまな材料やシステムの導入に関して、既存の専門的知識が多くあることがわかりました。水が良い潜熱蓄熱材であるかはまだ確かではありませんが、広範なエネルギーエコシステムに対する利益はますます重要になってきています。家庭用PCMエアコンの幕が開けようとしています。

Author
Roger Mainwaring-Burton
Associate Director

Roger is an expert in multi-phase fluids handling systems, having lead development of multiple consumer and medical products. He specialises in the application of technologies with harsh requirements and the integration of multiple engineering and design disciplines.

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