垂直農法が微空調の限界を押し広げます。最良の施設は、照明、湿度、温度、養分量を調整し、同時に何千もの植物が大きく育ち、最大の収穫とコスト削減をもたらすようにします。照明はLEDの開発と共に発展し、高精度のセンサーが養分の散布を管理していますが、冷却システムはWillis Carrierが20世紀はじめに導入したものとほとんど変わりません。
We're improving end-to-end efficiency through the integration of technology
同僚のMehmetとBenが、平均28%のエネルギー費が空気管理システム関連であることについて、より効率的なエネルギー利用の記事を最近のブログに載せています。垂直農法施設の空気を冷却するヒートシンクとしての潜熱蓄熱材は、コストを下げ、個々の列または植物に的を絞った冷却を可能にし、ナノ空調を作ります。一方微空調は、通常平方マイル、時に数平方フィートで測定されますが、ナノ空調では一つ一つの植物単位で管理できます。
多くの施設や状況において、標準の蒸気圧縮(VC)空調システムが完璧なソリューションとなります。高い放熱力と早い応答時間はつまり、快適さを維持しつつ、小さなビルの中で起こりうる需要の変化に迅速に対応できるということです。しかし、垂直農法のように熱負荷が予測可能な場合、需要がピークを迎える時間は分かっており、これは通常最も総電力需要が高いときです。これは日周パターンを反転させる(夜に照明を付ける)ことで多少相殺することができます。
以前のブログにも書いたように、塩水のように簡単なものからでもなり得る潜熱蓄熱材は、日中の冷却用の蓄熱を提供することが出来ます。赤道近くの地域では、日較差が大きい傾向にあり、米国のある地帯では一日の気温差(昼と夜の気温差)が25℃(45ºF)になることもあります。このような夜の低い気温が、潜熱蓄熱材を室内から取り出す場合とアイスバンクから取り出す場合の効率性の違いを補います。
夜にエネルギーを氷に取り出しても必要な総エネルギー需要には大きな変わりはなく、エネルギーはより安く買えます。そして氷自体にも利点があります。氷の塊はVCシステムに似ていますが、アイススラリーは、配管のネットワークを通して送り出すことができ。配管されているところどこにでも的を絞った冷却をすることができます。30%氷の場合、塩水はクーラントオイルより何倍もの冷却力があり、空気を運搬するより数十倍も良いです。このエネルギーを伝達するには、塩水を標準のVC冷却液よりも高い温度にし、不要な脱湿を減らします。照明バンクやポンプ装置のような大きな熱源がある場合は、直接冷却することができます。
ヒートポンプは施設の外にある貯冷からエネルギーを捨てます。分配システムは、配管ネットワークにスラリーを送り、施設内の栽培を行っている所だけを冷却し、また種類や生育段階などに合った冷気ががさまざまな作物に分配されます。
ナノ空調管理の利点についてですが、通常一つ施設の中で多数の植物がさまざまな生育段階にあります。スラリー配管を使って空調を局所的に使うことで、それぞれのエリアに最適な生育状況を提供することができ、運転費用を削減しながら収穫高を向上させることができます。しかもかかるのはスラリータンクの導入と保全が簡単で水漏れしない普通の配管の費用だけです。
それぞれの植物または植物グループは、必要に応じてスラリーから冷気を局所供給されます。スラリーの運搬システムを光源に接触させることにより、どの光源も冷却することができます。
スラリーを効率的に移動させる方法とそれを流動性のある状態に保つのは重要なことです。氷は塊になろうとするし、氷の結晶は直径を大きくしようとします。さまざまなスラリーの応用や市場での経験、そして植物のモニタリング、隙間のないセンサーネットワーク、自動化システムの知識を持つ我々は、技術をこの課題に注ぐ準備ができています。