アグリテックは無人航空機(UAV)にとって安全な離陸場所に思えますが、農産業で大きな問題に直面しています。先日Duxfordで開催されたCereals 2018展覧会を訪問した際、最先端アグリテックの最新の開発を目にしました。ドローンによる農薬散布や全自動コンバイン収穫機Hands Free Hectare(ハンズフリーヘクタール)など、いくつかの面白い実演が一般公開されました。AIや機械学習を併せたこれらの技術はまだ初期段階にあるかもしれませんが、農業というエンジンをより大きく広範に破壊的に再設計するものの一部です。
We're improving end-to-end efficiency through the integration of technology
UAVは、破壊的な未来においてエリート的な役割を担うように思われています。自律型飛行機は今でも作物の状態や健康の情報を最も早く収集する手段です。農場の日間・月間活動計画立案をサポートする完璧な位置にいます。その偵察力により農場全体を地図に示しつつ、地上のツールと直接コミュニケーションを取ることができ、最善の精密農業を可能にします。
しかし、これらの利点にはそれぞれ課題があります。乗り越える必要性がある4つの主要な課題はこちらとなります。
BVLOS
一つ目のそして恐らく最も大きな障害は、目視見通し外(BVLOS)で飛行機を飛ばすことです。多くの農場は、1平方キロメートルより大きい敷地を持ち、UAVがBVLOS飛行と見なされない限り地図を描くには何回も飛行機を飛ばす必要があります。BVLOSと見なされた飛行機の中核にあるのは、安全性と信頼性です。空域を飛ばすのに安全な飛行機か、一般人にとって安全か、事故が起きた場合は誰が責任を取るのか。イギリスでは多くの農場に公共の歩道があり、規制当局はこの公共の場所が安全に運営されているかなどを見ています。現在は精選された数少ない操作者だけが、試験条件の下BVLOSを飛行する権限を持っています。技術が成熟すれば、商業市場が開かれるでしょう。
ビッグデータ
UAVは頭上を飛行しながら、大量のデータを多くの場合4kなどの高解像度で記録し、一回の飛行でギガバイトクラスのデータを生成することが多いです。ミッションを成功させる鍵はこのデータをどう使うかにあります。データの品質と視覚処理、そして各作物がどのように成長するか理解するための機械学習と園芸学の導入が業界を決定付けるポイントとなります。データは、地上と上空などさまざまなプラットフォーム上で複数の形式(マルチスペクトルカメラからLiDARまで)にパッケージ化する必要があります。これには、全てのデータを処理し、実用的な情報に変換できる十分なインフラが必要です。
技術統合
技術の統合は、業界に課せられたもう一つのハードルです。UAVは、システムレベルに統合されることでベストな状態になります。業界には現在多くのベンチャー企業が存在しますが、データをいかに地上のツールに統合させるかが彼らの成功の分かれ道です。地上のハードウェアを製造する大きな企業は製品統合においては有力なリーダーです。彼らがこの利点をどう使うかによっては、小規模な企業は市場から淘汰されてしまうかもしれません。
領域
今日のドローンといえばクワッドコプターを思い浮かべる人が多いと思います。このクワッドコプターは、狭いエリアを飛行するにはとても有効ですが、領域としては固定翼機と比べものになりません。中規模から大規模な農場を効果的に網羅するには、クワッドコプターと固定翼ドローンを併せたものが不可欠になります。難点は、そこそこのサイズの有効荷重をかなりの距離運ばなければならないことです。そのような会社の一つであるQuantum-Systemsは、垂直飛行の有効性と固定翼機の領域を併せ、トリニティードローンの規定飛行距離を約500ヘクタールとしています。
これらの主要な課題に取り組むことでUAVの扉が開かれます。これにより技術が大きく進歩し、現在の市場を破壊することとなるでしょう。この業界からは今後目が離せなくなりそうです。