自動車におけるAI技術は、自動運転車で確立されています。しかしAIは、先進運転支援システム(advanced driver-assistant systems: ADAS)を超えてどこまで発展できるのでしょうか。そして、より大きな役割を担ってソフトウェア開発プロセスや顧客体験を充実させることはできるのでしょうか。

AIは非常に速いペースで発展を続けており、自動車システムの開発方法を根本的に変える(開発サイクルを何千時間も短縮したり、大量のセンサーデータをAIで管理する)ほどの大きな影響をもたらすと最近の研究は期待しています。

このAIと車載センサーの綿密な統合は、消費者との関わりを強め、ビジネスモデルを最適化し、多様な新しいユースケースを引き出します。

本記事では、最新のAIの研究を取り上げ、AIが自動車業界を改革する可能性について議論していきます。

自動車開発の加速

弊社は、進行中のAI研究の一環として、自動車製造の負担を大幅軽減する可能性のある新興技術に投資したり、自動運転車に信頼性あるシステムを提供するようサプライヤーに投資しました。

敵対的生成ネットワーク(GAN: Generative Adversarial Network)はその一例で、これは二つ以上のAIエージェントが競争し互いを出し抜き続ける構成を利用します。

弊社の画期的なAIシステムであるVincentはGANを使い、コントラスト、色彩、風合いの違いの理解蓄積に、ルネッサンス期から現在までの作品たった8,000点をサンプルとするよう最終的に調整しました。訓練を受けた今Vincentは蓄積された理解を使い、人が描いた単純なスケッチを見て、世界で最も有名な画家を連想させるような美しい芸術作品を仕上げることができます。

これを自動車に当てはめると自動車メーカーは、GANを使って何千時間にも及ぶ試験運転への依存を軽減し、変わりに限られたドライブ訓練データベースを拡張することができます。

自動運転車では、シュミレータ、ゲーム、車載カメラの映像などの走行データの代替源をAIの専門家が引き出し、それら全てを熟練した自動運転AI技術にすることができます。

自動車におけるAIの革新が、データベースのサイズや量によって限界をきたすことはもうありません。これによりAIの専門家は信頼性の最適化や自動運転ソリューションの性能に力を注ぐことができます。

AIを使って既存の技術に挑戦

AIを自動車電子制御ユニット(ECG)やサブシステムの能力の限界評価に使うことはできるでしょうか。我々はできると思っています。

AI が人間にはほとんど感知できないような変更を行った入力データを使って、評価の高い標準画像分類器をテストしました。

下の写真を見て分かるとおり、これらの小さな変化は車両を正確に識別しようと奮闘する標準の画像分類器を完全に狂わせました。このようなAIを使ったECUやサブシステムの信頼性評価は当たり前になり、自動車技術の信頼性を高めるようなより良いパフォーマンスシステムを我々にもたらします。

元の画像分類結果(結果トップ5):

  • 警察のバン Police van
  • 救急車 Ambulance
  • ミニバン Minivan
  • ミニバス Minibus
  • 引越しトラック Moving van

敵対的修正された画像の分類結果(トップ5):

  • コピー機 Photocopier
  • プリンター Printer
  • 洗濯機 Washer
  • 定規 Scale
  • CDプレーヤー CD player

データなだれを理解する

A recipe for responsible AI

自動運転技術を持つ車両は、LIDAR、レーダー、超音波、カメラなど数多くのサブシステムから届く大量のセンサーデータを処理する能力が必要です。かつてない量のデータが作成されるので、従来の方法では処理できません。AIが唯一のソリューションとなります。

このデータは、リアルタイムな自動運転の判断補助として使われるだけでなく、次世代の自動運転車両を訓練するための貴重な経験情報を提供します。AIの方がこの大容量データをうまく処理するチャンスが多くあります。AIを使うことで、データ管理戦略は自動車メーカーのサーバーに送信する必要のある重要な運転事象を特定し、知的圧縮技術を使って限りのある車載ストレージを最適化します。

インターフェースの充実した車両のコックピットは、自動車メーカーにとって新しいセンサーやAI技術を最大限活かし、差別化を図るような成長の機会を与えます。

これは、AlexaやGoogle Homeのような音声によるパーソナルアシスタント機能を使うだけでなく、役に立つ健康や安全の情報を提供する機会でもあります。例えば、コックピットセンサーとカメラは、乗員の健康を観察して実用的な洞察を乗員や医療機関に提供することができます。

つまりAIは、自動車業界に革命を起こす大きな可能性を持っているということです。これは、自律走行車を可能にするだけにとどまらず、サプライチェーン全体の最適な開発プロセスも作ります。センサーとAIシステムがしっかり統合されれば、社会は大きな価値を、自動車メーカーは変化の早い市場で競争上の優位性を得る可能性があります。

デトロイトでAI

TU Automotive event(6/6 - 7)で姉妹企業のSynapseと共に上記について話をします。是非お立ち寄りください。

Author
Thomas Carmody
Consultant

Thomas is an experienced marketing and business development manager with over 15 years’ experience in short range wireless communications and a track record of introducing successful hardware and software products to market and driving continuous business growth.