Capgemini 傘下のケンブリッジコンサルタンツ とHelius Medical Technologies, Inc. (NASDAQ:HSDT) が、多発性硬化症による軽度から中等度の症状からくる歩行障害の短期治療のために開発した画期的な治療用デバイスは、米国食品医薬品局 (FDA)によって販売承認されました。
ケンブリッジコンサルタンツはHelius社と協同で、神経疾患によって苦しむ患者の治療を目的とした画期的な技術を開発しました。 Portable Neuromodulation Stimulator (PoNS™)と名付けられたデバイスは、舌を使うことで人生を変えうるほどの可能性をもつ治療法として開発されたHelius社が初めて上市する製品です。
ケンブリッジコンサルタンツは、診断・治療分野でのブレークスルーを支援しています。
多発性硬化症は、米国内に約100万人の患者がいるとされ、慢性的に感覚障害の症状が現れる神経変性疾患で、患者は手足を動かしたり、バランスを取るなど運動障害により立ったり歩いたりが困難になる難病ですが、今まで効果的な解決策がありませんでした。
ケンブリッジコンサルタンツがHelius社向けに開発したPoNSデバイスは、身体を傷つけることなく装着できる医療機器で、舌を通じて2つの脳神経に刺激を与えます。世界初の舌による神経刺激療法で、理学療法と併用することで、患者の神経可塑性、つまり脳が機能を再構築したり再学習する能力を高めると考えられています。拡張された神経可塑性は、患者の学習、訓練、およびリハビリテーション能力を向上させ、多発性硬化症の軽度から中等度の症状で歩行障害に苦しんでいる米国の患者の歩行能力の改善や回復を促します。
PoNSデバイスは複雑なシステムエンジニアリングと技術革新の組み合わせですが、デバイスが舌を刺激する科学的メカニズムも独特なものです。最先端の電子工学、ファームウェア、ソフトウェアは、難解な機構械設計で人間工学的フォームファクタに統合されています。患者と医師間のワークフローを考慮しユーザー目線で設計されたウェアラブル会話コントローラは、マウスピース型の電極システムと連動し、運動療法の際、的確に神経に刺激を送ります。クラウドベースのデータ管理ソフトウェアを通して、医師は効率的な患者ケアに必要なデジタルエコシステムを活用することができます。
ケンブリッジコンサルタンツのクライアントは、熱意と先見の明をもって現状を打破しようとしている企業がほとんどです。医療技術分野では実績を積み重ねてきており、画期的な医療機器、製薬技術やサービス、ライフサイエンス、外科、救急治療アプリケーションの開発など様々なプロジェクトに長年携わってきました。
過去4年間、PoNSデバイスに必要な設計および開発、世界クラスのシステム専門知識をHelius社に提供してきました。ケンブリッジコンサルタンツは、エレクトロニクス、ソフトウェア、メカニック、製造用設計、工業デザイン、人間工学など様々な分野の専門知識を持ち合わせています。システム設計から検証、製造への移行、新製品の導入までHelius社とその製造パートナーと緊密に協働することで、必要なサービスの提供ができました。
ケンブリッジコンサルタンツ、メディカルテクノロジー事業本部 医療機器イノベーショングループ リーダーの Rahul Satheは「Helius社との共同開発は事業ビジョン、臨床科学、画期的な製品、技術の専門知識を結集したものとなりました。すべての要素が事業に改革をもたらし、世界を変えるような素晴らしいイノベーションを生み出すことを可能にしました。私たちは、Helius社が、今までサービス面でほとんど恩恵を受けてこなかったMS患者に、人生を変えるようなすばらしい療法を提供されたこと、そして輝かしい成果を祝福いたします。」と述べています。
また、Helius社のInterim President and Chief Executive OfficerであるDane Andreeff氏は、「PoNSデバイスは現在、本分野において世界初で唯一の米国で承認された医療機器です。FDAで承認されたことは上市に向けたマイルストーンにおいて最も重要な成果ですので、ケンブリッジコンサルタンツの貢献には本当に感謝しております。彼らは、本プロジェクトの成功に必要な手法や専門知識をユニークに組み合わせ支援してくれました。こうした努力の結果、PoNSデバイスは多発性硬化症患者の潜在的な歩く力を再び引き出し、患者の安全とクオリティ・オブ・ライフの向上につながりました。」と述べています。
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